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相続

相続放棄がなされているかどうかを知るには?

2018.07.21更新

「亡父の財産について遺産分割協議をしたいのですが、三男である弟が自分は相続放棄したからと言って、手続に協力しようとしません。弟が本当に相続放棄したかどうかを調べる方法はあるのでしょうか?また、相続登記には、弟が相続を放棄した旨の証明が必要になると聞いていますが、それは私でも取得できるものなのでしょうか?」との相談をお受けすることがあります。

ここでは、相続放棄の有無の調査についてお話しします。

1.相続放棄の申述の有無についての照会

相続人が相続放棄したかどうかを確認するためには、家庭裁判所に対して相続放棄の申述の有無についての照会を行わなければなりません。どこの家庭裁判所でもいいというわけではなく、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に照会することになります。そのため、照会の申請人は、被相続人の最後の住所を住民票除票等で調べる必要があります。

この照会ができる人は限られており、相続人及び利害関係人とされています。

たとえば次のような人です。

・共同相続人

・後順位相続人

・相続債権者

照会に必要な一般的な書類(共同相続人が照会者の場合)は以下のとおりです。ただし、必要に応じて追加書類を求められる場合もあります。

☑相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会申請書

☑被相続人の住民票の除票(本籍地が表示されているもの)

☑申請人と被相続人の戸籍謄本(除籍又は改製原戸籍)(申請人と被相続人の関係がわかるもの)

☑相続関係図

具体的な手続については、管轄の裁判所によって異なりますので、詳細は照会先の裁判所に確認してください。

2.相続放棄申述受理証明書の取得

相続人が相続放棄したことの証明を取得するためには、家庭裁判所に対し、相続放棄申述受理証明書を申請する必要があります。

相続放棄申述受理証明は、相続放棄を受理したことを証明するもので、相続人の中に相続放棄した人がいる場合は相続登記の添付書類になります。なお、手数料は150円で、申請できるのは、共同相続人後順位相続人相続債権者などです。

照会に必要な一般的な書類(共同相続人が申請者の場合)は以下のとおりです。

☑相続放棄申述受理証明申請書

☑被相続人の住民票の除票

☑被相続人の戸籍謄本(除籍又は改製原戸籍)

☑相続放棄申述人、申請人の戸籍謄本

なお、戸籍や除票は「相続放棄受理通知書の写し」を添付する場合には不要です。

具体的な手続については、管轄の裁判所によって異なりますので、詳細は照会先の裁判所に確認してください。

3.最後に

 今回の相談事例では、共同相続人の相続放棄の有無を調べる場合を想定していますが、たとえば、次のようなケースも考えられます。

「私の兄が借金を残して亡くなりました。兄の家族とは折り合いが悪く、お互い連絡を取ることはありません。ただし、兄の妻と子が相続放棄をした場合、妹である私に借金がふりかかってくるので、兄の妻と子が相続放棄をしたかどうかを調べたいです。」

このようなケースでも、妹は後順位相続人としての地位で、先順位相続人の相続放棄の有無を調査することが可能です。

相続放棄をした相続人が、その証明書類を出してくれない場合、又は相続放棄したかどうか当事者に確認が取れない場合は、上記の方法によって家庭裁判所で手続を取ってください。