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遺言

遺言書の検認

2018.04.20更新

「遺品から亡父の遺言書(自筆証書遺言)が出てきました。銀行や法務局にこの遺言書を持っていけばすぐに手続ができるのでしょうか?」とのご相談をお受けすることがあります。

ここでは、自筆証書遺言で必要な検認手続についてお話しします。

1.遺言書の検認とは?

遺言書を発見した相続人又は遺言書の保管者(相続人ではない第三者が遺言執行者になった場合等)は、相続開始後、家庭裁判所に遺言書を提出して、その検認を請求しなければなりません。この遺言書は、「遺言書」という表題である必要はなく、遺言状や覚書などという表題でも、遺言者の遺言意思が記載されているものなら検認の対象になります。 なお、封印のある遺言書を家庭裁判所外において開封した場合は、5万円以下の過料に処せられますので注意を要します。この場合、遺言書の効力自体には影響はありません(無効になったり、開封した相続人が手続から外されることもありません)。

検認は、遺言書に関する一種の証拠保全手続といわれています。遺言書の形式、態様など専ら遺言の方式に関する一切の事情を調査して遺言書そのものの状態を確定するための手続です。そのため、検認手続は遺言自体の有効・無効を判断するものではありません。 検認したからといって、この遺言が絶対に大丈夫(後々、裁判で争われることはない)というわけではないのです。 たとえば、遺言が無効になる場合とは、遺言作成時に既に遺言者の「判断能力が低下していた場合(低下の程度にもよりますが)」などが考えられます。

2.遺言書の検認申立て

検認申立ての管轄は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。 遺言者の最後の住所地が仙台市の場合は、仙台家庭裁判所が管轄となります。

原則的な必要書類は以下のとおりです。

・遺言書検認申立書(申立人が作成) ・遺言者の除籍謄本等(出生から死亡時までのすべての戸籍) ・相続人全員の戸籍謄本

その他、手数料として収入印紙800円分と郵便切手(各裁判所によって異なります)が必要です。

申立てをすると、家庭裁判所から申立人及び相続人に検認期日の通知がなされます。 要するに、「○月○日の○時に家庭裁判所に来てください」との連絡があるわけです。 呼ばれた相続人がその期日に立ち会うかどうかはあくまでも任意です。 全員が揃わなくても期日は開かれます。

ここで、家庭裁判所は申立人及び相続人の立会いのもと遺言書を開封(封印されている場合に限る)・確認して検認調書を作成します。

なお、検認を終えた遺言書は、申立てにより、検認を受けた旨の証明がなされます。 この証明がないと銀行や法務局で手続ができません。

3.最後に

自筆証書遺言や秘密証書遺言を発見した場合、それをそのまま相続手続で使用することはできません。まずは、家庭裁判所で検認手続を取ってから各種相続手続(不動産の名義変更や預貯金の払戻し等)を行うことになります。 なお、見つかった遺言書が公正証書遺言であれば、検認の手続を取る必要はありません

もしも遺言書が見つかった場合には、すぐに開封せずに家庭裁判所又は専門家にご確認ください。