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遺言

公正証書遺言のススメ

2017.10.18更新

「遺言書を作っておきたいが、どういう方法で作るのが一番いいんでしょうか?」とのご相談をお受けすることがあります。

遺言の種類は「普通の方式」で3種類、「特別方式」で4種類あります。

ここでは、一般的に利用されている普通の方式の遺言についてお話しします。

①自筆証書遺言 ②公正証書遺言 ③秘密証書遺言

①自筆証書遺言

自筆証書遺言は、読んで字のごとく、遺言者自身が全文・日付・氏名を「自筆」で書き、押印する必要があります。 そのため、パソコン、タイプライター、点字機を利用して作ったものは無効です。また、第三者に書いてもらった場合も無効です。

自筆証書遺言は、上記の法定の方式を備えたものでなければなりません。

当該遺言書が法定の方式を備えているかどうかは、相続開始後に家庭裁判所で確認されます。 この手続を「検認」といいます。検認の手続は、相続人又は遺言書の保管者からの申立てにより開始します。

検認とは、遺言書の形式的な状態を調査確認する手続です。 なお、遺言書が封印されている場合は、相続人等の立会いのもと、家庭裁判所で開封する必要があります。 これに違反し、家庭裁判所以外で遺言書を開封した者は、5万円以下の過料に処せられます。

<自筆証書遺言のメリット・デメリット>

◆メリット ・簡単に作成できる。 ・公証役場の費用がかからない。 ・公正証書遺言等で必要な証人がいらない。

◆デメリット ・方式違反による無効リスクが高い。 ・紛失リスクが高い(無くしたら終わり)。 ・相続開始後に検認が必要。 ・有効性を巡って訴訟になりやすい(本当に遺言者が書いたのか、等)。

②公正証書遺言

公正証書遺言は、公証役場において公証人が作成する遺言です。 法律の専門家である公証人が関与するため、遺言内容が明確になり証拠力も高いです。 また、遺言書の原本が公証役場で保管されるため、紛失リスクもありません。 公証人が作成するため、遺言者が自筆で書く必要がなく、家庭裁判所での検認手続も不要です。

なお、遺言書の作成には証人2名の立会いが必要です。 次の者は証人になれません。

・未成年者 ・推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族 ・公証人の配偶者、4親等内の親族、書記及び使用人

公正証書遺言は、原則として公証役場で作成されますが、遺言者が老齢等で役場への出頭が困難な場合は、遺言者の自宅、病院、老人ホームに赴いて作成することもできます。

<公正証書遺言のメリット・デメリット>

◆メリット ・自分で書く必要がない。 ・紛失リスクがない。 ・訴訟によって無効を判断される可能性が非常に低い。 ・家庭裁判所による検認が不要。

◆デメリット ・作成には証人2名の立会いが必要。 ・公証役場の費用がかかる。

③秘密証書遺言

秘密証書遺言は、誰にも遺言の内容を知られたくない場合に利用する遺言です。 この遺言は、遺言書を秘密に保管するための方式であり、書面自体に格別の方式はありません。

まず、遺言者が遺言証書に署名押印し、証書を封じて、証書に押したハンコで封印します。 公証人が遺言者の申述(自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所)及び提出した日付を封紙に記載した後、遺言者及び証人がこれに署名押印します。

なお、証書はパソコン等を使って書いても問題ありませんが、必ず署名押印が必要です。 中身の証書の作成には公証人が関与しないため、方式違反(署名が抜けている等)で遺言が無効になるリスクがあります。

<秘密証書遺言のメリット・デメリット>

◆メリット ・遺言内容の秘密が守られる。 ・封紙の中身はパソコン等で作成しても大丈夫。

◆デメリット ・作成には証人2名の立会いが必要。 ・公証役場の費用がかかる。 ・公証役場で保管しないため紛失リスクがある。 ・検認が必要。 ・方式違反による無効リスクがある。


最後に

どの方式で作成するかは遺言者の自由です。

●あまり費用をかけたくない場合は自筆証書遺言で作成する。 ●紛失リスクを無くしたい場合は公正証書遺言で作成する。 ●遺言の内容を秘密にしておきたい場合は秘密証書遺言で作成する。

いろいろなニーズがあるかと思います。

そもそも、遺言書を作る目的は何でしょうか。 ご自身の最終意思をより確実に実現することですよね。

それならば、遺言書は、多少費用がかかってでも、無効リスクや紛失リスクが低い公正証書遺言で作るべきではないでしょうか。

私は、公正証書遺言の作成を強くおススメします。