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相続

遺産分割協議の方法

2017.10.14更新

父が亡くなり相続が開始しました。父の遺産をどう分けようか悩んでしまいます。 「遺産の分け方には、どんな方法があるんですか?」 とのご相談をよくお受けします。

ここで、遺産の分け方のパターンとして、以下の4つの方法をお話しします。

●法定相続 ●現物分割 ●代償分割 ●換価分割


法定相続のケース

法定相続とは、民法により定められた相続人とその相続分(取り分)のことをいいます。 遺産分割協議をしない場合(遺言等もないことが前提)は、法定相続分に基づいて遺産を分けることになります。 配偶者と子が相続人の場合の相続分は、配偶者が2分の1で残りの2分の1を子の頭数で割ります。

たとえば、父の遺産が不動産、預貯金1000万円で、相続人が母・長男・次男の3人の場合。

不動産の名義は、次のように登記されます。

・4分の2  母 ・4分の1  長男 ・4分の1  次男

預貯金は、次のように分配されます。

・500万円 母 ・250万円 長男 ・250万円 次男


現物分割のケース

現物分割とは、遺産をそのままのかたち(現物)で分ける方法です。 現物分割は、最も一般的な遺産分割の方法です。

たとえば、父の遺産が不動産、預貯金、現金で、相続人が母・長男・次男の3人の場合。

・不動産  母 ・預貯金  長男 ・現金     次男

また、父の遺産が土地(評価2000万円)のみで、相続人が長男・次男の2人の場合。

分筆登記をして1筆の土地を、A土地とB土地に分けます。 分けた土地を、それぞれの単独名義にします。

・A土地  長男 ・B土地  次男

最もわかりやすい分割方法ですが、遺産の評価額によっては、公平な分割が難しくなります。上記の例だと、預貯金が1000万円・現金が300万円の場合、長男と次男とで明らかに不公平さが残ります。


代償分割のケース

代償分割とは、相続人のうちの1人が、遺産の全部を相続し、他の相続人に対し代償金(通常は相続分相当額)を支払うことを約束する分割方法です。

たとえば、父の遺産が不動産(評価2000万円)のみで、相続人が長男・次男の2人の場合。

「長男は不動産を取得する代償として、次男に対し1000万円を支払う。」との協議を行います。

なお、代償金の金額については、相続人間の「合意」により自由に決めることができます。合意さえ整えば、必ずしも法定相続分相当額である必要はありません。

注意すべき点は、代償分割を選択する場合、遺産の全部を相続する人に代償金支払能力が求められることです。


換価分割のケース

換価分割とは、遺産を直接的に分けるのではなく、分割をしない状態で換価した上で、その代金を相続人間で分ける方法です。

たとえば、父の遺産が不動産だけで、相続人が長男・次男の2人の場合。代償分割を行いたかったが、相続人に代償金の支払能力がなかったため、不動産を売却し代金を2人で折半するようなケースです。

換価分割は、上記のように代償分割を行いたいが、代償金の支払いが困難な場合や現物分割が困難な場合に有用です。また、相続人が住まない実家不動産を売却し、分配しやすい金銭に換えるために利用されたりもします。


相続人間での協議が整わない場合は、裁判所において遺産分割調停又は遺産分割審判の手続により解決を図ります。

なお、昨今、裁判所に持ち込まれる遺産分割事件は増加の一途をたどっています。

相続人全員の実情や意向にあった分割方法を選択し、納得のいく遺産の承継を実現したいものです。